結論:猫の不妊、去勢治療済みのしるし。世間からの苦情と殺処分を減らすための活動の証。
もくじ
桜耳とは?
猫の片方の耳の上部分を、V字にカットした耳のこと。
カットした耳の形が、さくらの花びらに似ていることから「桜耳」と呼ばれています。ちなみに、桜耳となった猫は「桜猫」と呼ばれます。
なぜ猫の耳を切るのか
なぜ猫の耳をV字にカットするのか。
それは、不妊または去勢の手術が済んでいることが、一目でわかるように区別するため。
手術が済んでいない野良猫を捕獲して不妊治療を施します。その際に耳の先端をカットするのですね。
ちなみにピアスや首輪等はどうしても外れてしまう可能性があり、最小限でかつ一目見て判別がつけられるよう、耳の先端をカットする方法に至ったようです。
なぜ不妊治療をするのか
猫の繁殖力が驚異的すぎる
メス猫は以下のルーティーンを繰り返します。
①妊娠 :期間約2ヶ月
②出産 :1度の出産で平均5頭
③子育て:2か月子育て後、①に戻る
以上の事から繁殖のペースがとても速い上に一回の出産で生まれる頭数も多く、一匹の猫だけで1年後には20匹以上の猫を産むこともあるという事です。※さいたま市の記事を参考
産まれて間もないメス猫も6ヶ月後からは繁殖が可能ですので、不妊治療をしない場合はその子猫からも繁殖し年間で約60頭程増えることになります。
猫は倍々ゲームで増えていきますで、驚異的な速さで野良猫が増えてしまい、世話が行き届かなくなるという事です!
猫の迷惑行為を増やさない為
可愛い猫も外で暮らしている野良猫に至っては生き延びるために必死ですので、人間のゴミをあさったり、畑、農作物を荒らしたり、糞尿をまき散らしたり、猫は悪気が無くても我々の生活環境へ、どうしても迷惑をかけてしまいます。
この迷惑行動を抑えるために、したくもない「殺処分」が執行されているという実態。
なので殺処分される猫を少なくするためにも、地域ねこ(野良ねこ)の耳カットをして「この猫は繁殖できません=迷惑かけません」というメッセージが込められているのですね。
これが耳のカットがされなかった場合、再度捕獲されることも大いにありますので、無用な麻酔を二度も打たれ、捕獲される恐怖を何度も体験してしまいます。それを避けるために、猫の耳カットは必要ということです。
右耳?左耳?
右耳をカットするのか、左耳をカットするのか。これにも意味があります。
基本的に性別によって区別しています↓
右耳 ⇒ オス猫
左耳 ⇒ メス猫
耳をカットする時の痛み
全身麻酔をかけてのカットとなる為、痛みは殆ど無いと言われいます。
猫の耳の先をカットしてから止血します。
TNR活動とは何か?
悲しい殺処分を少しでもゼロに近づける為に地域猫、野良猫に不妊手術を施す活動の事を「TNR先行型地域猫活動」と呼ばれ、以下の頭文字から名付けられています。
- Trap(捕獲する)
- Neuter(不妊手術)
- Return(元に戻す)
現状ではすべての猫を保護するのが難しく、数が多すぎてお世話も行き届かないため、その地域の協力を得て全体で世話をする「地域猫」となる活動を行っています。
外にいる「地域猫」または「野良猫」を見かけた時に、耳がV字にカットされている猫は不妊、去勢手術を受けており、地域猫として保護された猫の証になります。
可愛い野良猫に餌を与えたくなる気持ちも分かりますが、その責任を考えた行動をとらなければならないということですね。
まとめ
猫の桜耳。
耳がカットされていて可哀そうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。桜猫は特定の飼い主は持ちませんが、殺処分されずに保護された猫と、区別できる重要な役割を果たしているということが分かりました。
外で暮らす猫は殺処分もそうですが、他にも交通事故など様々な危険と隣り合わせ。ということで室内と室外の猫の違いについては別記事「猫の室内飼いは可愛そう?室内か室外か。外猫の気持ち」をご覧ください。
人間と猫がお互いに幸せな生活ができる環境を整えるためにも、色々と検討していく上で不妊、去勢手術は必要といえるのではないでしょうか。
猫の桜耳。見たことがある人も、いらっしゃるのではないでしょうか。
桜のような形に切られている猫の耳を指しますが
一見、耳が切られている=虐待?なんて感じる人もいるかもしれません。
実は、猫を助けるための大切な意味が込められた目印です。
では桜耳とはいったい何なのか見てみましょう。